いぼ治療

いぼ

いぼを市販薬で治療してはいけない

 

もし、いぼができてしまったら、どの種類のいぼかを見分けなければいけません。どの病気でも同じですが、正しい治療のためには、正しい診断が必須条件です。

 

いぼをはじめ、魚の目、タコなども、良性の、非常にありふれた皮膚病です。しかし時々、これらの区別がつきにくかったり、その他のさまざまな皮膚病が混じっている可能性もあります。いぼは人に感染する

 

いぼ(ウイルス性疣贅)は、ウイルス(HPV)が感染してできる皮膚や粘膜の病気です。そのため、人に感染する可能性があります。ただし、人間の皮膚や粘膜は、解剖学的な構造、免疫の働きなどといったさまざまなバリアー機構によって、ウイルスや細菌などの感染から守られています。なので、正常な皮膚や粘膜には通常、感染しにくいと考えられます。みずいぼといぼは違う

 

みずいぼは、その名前や症状から、いぼと同じようなものだと考えられがちです。しかし、みずいぼといぼはまったく異なります。

 

みずいぼは、専門用語において、伝染性軟属腫(なんぞくしゅ)と呼ばれます。いぼもみずいぼも、子どもに多い皮膚病です。しかもどちらも、ウイルスに感染してできるところが似ています。

 

しかし、いぼがヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染でできるのに対して、みずいぼは伝染性軟属腫ウイルスという、まったく異なるウイルスが原因でできます。

 

みずいぼは、表面がツルツルして、丘疹という、みずみずしい光沢のある直径数mmから5mmくらいの小さな皮膚が盛り上がった症状で、その一番上が少し凹んでいるのが特徴です。一方、いぼはというと、表面が、がさついた硬い丘疹のことが多いです。しっかり見比べると、見た目からかなり違います。

 

いぼは、手のひらや足の裏を含む、手足にできることが多いです。一方、みずいぼは、身体にできることが多いのも大きく違います。みずいぼが手のひらや足の裏にできることはほとんど皆無です。これは、みずいぼのウイルスは、実は毛に感染すると考えられ、そもそも毛がない手のひらや足の裏にみずいぼできない理由と考えられています。

 

しかし、いぼが感染する事例として、皮膚や粘膜に小さい傷ができてウイルスの侵入を許したり、免疫力が何らかの理由で低下したりすると、いぼができやすくなり、ひどくなり、治りにくくなることがあります。

 

もし、免疫力の低下を引き起こすような病気にかかっている場合や、免疫を押さえるような治療を受けている時、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリヤー機能が低下している時などは、いぼの感染に特に注意しましょう。また、手荒れや髭剃りなど、目に見えないほどの小さな傷からも侵入することもあります。いぼは癌になることもある注意

 

いぼ治療で知っておいてほしいことの1つに、いぼが実は癌になることもあるということです。子宮癌のうち、子宮頸癌の原因の1つとして、ある種のいぼのウイルスであるHPV16型が感染して起こる可能性が注目されています。

 

皮膚癌の中で、昔から、疣贅状表皮発育異常症(ゆうぜいじょうひょうひはついくいじょうしょう)という、非常に珍しい皮膚病の患者にできるのがウイルス感染で起こるらしいと考えられていました。しかし、今ではHPV5型をはじめとする特定のHPV型が原因であることがわかっており、これとは別に、外陰部や指にできる皮膚癌から子宮頸癌と同じ種類のHPVが見つかることが、最近になってわかりました。

 

そのため、子宮頸癌を起こすHPV16型などが、外陰部や指にも感染して癌の原因になっているのではないかと考えられているわけです。

 

子宮頸癌や、ある種の皮膚癌がHPVで起こる可能性がわかってきました。HPVには多くの型があり、子宮頸癌がHPV16型、疣贅状表皮発育異常症で生じる皮膚癌がHPV5型など、癌を起こしやすいHPVの型が決まっているようです。これらは、普通のいぼとはまったく型のHPVが原因です。そのため、普通のいぼが癌になるとは通常、考えられません。

 

一方、性行為による性感染症(性病)の尖圭コンジローマ、ボーエン様丘疹症も、いぼが伝染するので注意しましょう。感染する前も後も、パートナーと一緒にいぼの予防やいぼ治療に取り組んでいく必要があります。

 

例えば、足の裏の悪性腫瘍を魚の目と自分で判断してしまい、自分で治療するうちに症状を悪化させてしまったという場合もあるようです。たとえ自分の診断が正しくても、また、どんな簡単な治療法であっても、正しくいぼ治療が行われないと、逆にひどくなる、有害な場合もありえます。最悪、魚の目を自己治療していくうち、部位を化膿させてしまった糖尿病患者もいるとのことです。

 

また、いぼ治療を成功させるために、可能な限り、病気の原因をまず取り除くことが重要になります。そのため、いぼができたとすぐ市販薬で治そうとすると、かえって危険です。いぼ治療については最初に、皮膚科医の正しい診断を仰ぐのが一番です。専門医による指導、管理下において、市販薬を用いて自分で治療するのであれば、何も問題はありません。